インターネットやSNSが普及した現在では、さまざまな情報が短時間で多くの人に広まります。
そのため、自分の個人情報をネット上に公開され、不安を感じている人もいるでしょう。
公開された個人情報をきっかけに誹謗中傷や嫌がらせを受けたり、別のSNSや掲示板などに転載されたりするおそれもあります。
一度拡散されると被害がさらに広がる可能性があるため、できるだけ早めに対応することが大切です。
本記事では、個人情報をネットに公開された場合の対処法や削除方法、投稿者が問われる法的責任について解説します。
無料で利用できる相談窓口や弁護士へ相談したほうがいい状況も紹介するので、個人情報を公開されて困っている人は参考にしてください。
・個人情報をネットに公開された場合の対処法は、公開された個人情報を保存する、運営者に削除を依頼する、検索エンジンに削除を申請する、投稿者を特定する、損害賠償を請求する、弁護士に相談する
・個人情報をネットに公開して違法になる可能性があるのは、プライバシー権の侵害、名誉毀損罪、侮辱罪、脅迫罪、ストーカー規制法違反
・個人情報をネットに公開された場合の無料相談窓口は、違法・有害情報相談センター、法務局の人権相談、個人情報保護法相談ダイヤル
・個人情報をネットに公開された場合に弁護士へ相談したほうがいい状況は、削除を依頼しても対応してもらえない、個人情報が拡散・転載されている、匿名の投稿者を特定したい、投稿者に損害賠償を請求したいなど
目次
個人情報をネットに公開された場合の対処法
個人情報をネットに公開された場合は、放置せずに早めに対応することが大切です。
投稿を削除するだけでなく、投稿者を特定して損害賠償を請求するなど、状況に応じていくつかの対処法があります。
個人情報をネットに公開された場合の対処法を紹介します。
- 公開された個人情報をスクリーンショットなどで保存する
- 投稿されたサイトやSNSの運営者に削除を依頼する
- Googleなどの検索エンジンに削除を申請する
- 投稿した相手がわかる場合は削除を求める
- 発信者情報開示請求で投稿者を特定する
- プライバシー権などを侵害された場合は損害賠償を請求する
- 身の危険を感じる場合は警察に相談する
- 弁護士に相談する
公開された個人情報をスクリーンショットなどで保存する
個人情報をネットに公開された場合は、削除を依頼する前に投稿内容をスクリーンショットなどで保存しておきましょう。
サイトやSNSの運営者が投稿を削除したり、投稿者自身が消したりすると、あとからどのような個人情報が公開されていたのか確認できなくなる可能性があります。
スクリーンショットを撮る際は、個人情報が掲載された部分だけでなく、投稿全体がわかるように保存するのがポイントです。
投稿日時や投稿者のアカウント名なども確認できる状態にしておくとよいでしょう。
保存した証拠は、発信者情報開示請求や損害賠償請求、警察への相談などを進める際にも利用できます。
投稿されたサイトやSNSの運営者に削除を依頼する
証拠を保存したら、個人情報が掲載されているサイトやSNSの運営者に削除を依頼しましょう。
多くのSNSや掲示板には、プライバシーを侵害する投稿や個人情報の公開などを報告するための窓口が設けられています。
対象となる投稿のURLなどを確認し、各サービスの案内に従って削除を申請してください。
削除を申請する際は、単に個人情報が掲載されているので消してほしいと伝えるだけではなく、削除を求める理由を具体的に説明することがポイントです。
サイトやSNSの運営者は、基本的に自社の利用規約や削除基準などに照らして対応を判断します。
そのため、どの情報が公開されているのか、なぜプライバシーを侵害していると考えられるのかなどを明確に伝えましょう。
利用規約の禁止事項に該当するのであれば、該当する項目を示すのも有効です。
関連記事:5chの書き込みを削除する5つの方法|注意点や削除されない場合の対応
Googleなどの検索エンジンに削除を申請する
個人情報がさらに広まるリスクを抑える方法として、Googleなどの検索エンジンに削除を申請する方法があります。
検索結果から該当ページが削除されれば、氏名や勤務先などで検索しても表示されにくくなります。
個人情報が掲載されたページへ新たにアクセスする人を減らせるため、情報のさらなる拡散を防ぐ効果が期待できるでしょう。
特に、氏名を検索すると個人情報が掲載されたページが上位に表示されるような状況では、検索結果からの削除を申請する意味は大きいといえます。
ただし、検索結果から削除されても、個人情報が掲載されている元のページ自体が消えるわけではありません。
そのため、基本的にはサイトやSNSの運営者への削除依頼とあわせて進めるとよいでしょう。
関連記事:検索結果の犯罪歴を消したい|削除方法と消せない場合の対処法を紹介
投稿した相手がわかる場合は削除を求める
個人情報を投稿した相手がわかっている場合は、本人に直接削除を求めてもよいでしょう。
たとえば、友人が悪ふざけで住所や写真を投稿したり、元交際相手が何らかの理由で個人情報を公開したりしている場合です。
個人情報が拡散されると困ることや、投稿を削除してほしい理由を説明すれば、相手が応じてくれる可能性があります。
ただし、相手との関係が悪い場合は、直接連絡したことでトラブルがさらに悪化するおそれもあるため注意が必要です。
嫌がらせを目的に個人情報を公開されている場合や、相手から脅迫を受けている場合などは、無理に自分から連絡する必要はありません。
弁護士への相談など、相手と直接やり取りせずに削除を求める方法を検討しましょう。
発信者情報開示請求で投稿者を特定する
匿名の相手に個人情報を公開された場合、損害賠償請求などの法的措置を取るには、まず投稿者を特定しなければなりません。
そのための最初のステップとなるのが発信者情報開示請求です。
発信者情報開示請求とは、SNSや掲示板の運営者、インターネット接続事業者などに対して、投稿者の特定につながる情報の開示を求める手続きです。
投稿者を特定できれば、相手に直接削除を求めたり、プライバシー権の侵害などを理由に損害賠償を請求したりできます。
ただし、個人情報を公開されただけで必ず開示請求が認められるわけではありません。
プライバシー権などの権利が侵害されたことが明らかであり、損害賠償請求などのために発信者を特定する必要があるといった要件を満たす必要があります。
関連記事:発信者情報開示請求の進め方|手続きの流れや費用、自分でできるのか解説
プライバシー権などを侵害された場合は損害賠償を請求する
個人情報をネットに公開されたことで権利を侵害された場合は、投稿者に慰謝料などの損害賠償を請求できる可能性があります。
個人情報の公開によって損害賠償を請求できる可能性があるのは、たとえば以下のような場合です。
- プライバシー権を侵害された:住所や電話番号、病歴、交際関係など、私生活上の情報を本人の意思に反して公開された
- 名誉権を侵害された:個人情報とともに、社会的評価を低下させる内容を投稿された
- 肖像権を侵害された:本人の承諾なく顔写真などをネット上に公開された
- 名誉感情を侵害された:個人情報とともに人格を否定するような侮辱を受け、その程度が社会通念上許される限度を超えている
投稿者が判明していれば、本人との交渉によって損害賠償を請求し、合意できない場合は訴訟を起こすことも可能です。
匿名で投稿されているのであれば、先に発信者情報開示請求などで相手を特定しなければなりません。
身の危険を感じる場合は警察に相談する
個人情報をネットに公開され、実際に危害を加えられるおそれがある場合は警察に相談しましょう。
特に、自宅の住所や勤務先など現実の生活圏につながる情報とともに、殺害予告や危害を加える内容を投稿されている場合は注意が必要です。
投稿者が自宅や勤務先を把握しているため、ネット上の嫌がらせから現実の被害に発展する可能性も考えられます。
また、個人情報を公開されたあとに自宅周辺をうろつかれたり、勤務先で待ち伏せされたりするなど、不審な行動が確認されている場合も警察へ相談してください。
すぐに危害を加えられるおそれがあるなど緊急性が高い場合は110番し、それ以外で身の安全に不安を感じている場合は#9110や最寄りの警察署へ相談するとよいでしょう。
弁護士に相談する
個人情報をネットに公開されたトラブルは、プライバシー権の侵害など、民事上の問題として対応することが多くあります。
このような問題について、法的な解決を目指せる専門家が弁護士です。
弁護士に依頼すれば、これまで紹介した削除請求や発信者情報開示請求、損害賠償請求などをまとめて任せられます。
自分でサイトの運営者や投稿者とやり取りしたり、裁判所で必要な手続きを進めたりする負担も減らせるでしょう。
また、必ずしもすべての手続きをする必要はありません。
弁護士であれば、公開された個人情報の内容や拡散状況、投稿者が判明しているかなどを踏まえて、どの対応を優先すべきか判断してくれます。
自分で対応方法を判断するのが難しい場合や、できるだけ手続きを任せて解決したい場合は、インターネット上のトラブルに詳しい弁護士へ相談するとよいでしょう。
個人情報をネットに公開する行為は違法になる可能性がある
他人の個人情報をネットに公開したからといって、必ず犯罪が成立するわけではありません。
個人情報の公開は、プライバシー権の侵害などを理由とした民事上の問題になることが多いでしょう。
個人情報をネットに公開した場合に問題となる可能性がある法的責任について解説します。
- プライバシー権の侵害
- 名誉毀損罪
- 侮辱罪
- 脅迫罪
- ストーカー規制法違反
プライバシー権の侵害
住所や電話番号、病歴、交際関係など、本人が他人に知られたくない私生活上の情報を無断でネットに公開すると、プライバシー権の侵害にあたる可能性があります。
プライバシー権の侵害が認められるかどうかは、単に個人情報を公開したかだけで決まるわけではありません。
一般的には、以下のような事情を踏まえて判断されます。
- 私生活上の情報である
- 一般の人にまだ知られていない情報である
- 本人であれば通常、公開されたくないと考える情報である
たとえば、自宅の住所や電話番号、病歴などを本人の同意なくSNSへ投稿した場合は、プライバシー権の侵害が問題になるでしょう。
名誉毀損罪
個人情報とともに、その人の社会的評価を低下させる具体的な事実をネット上に公開すると、名誉毀損罪が成立する可能性があります。
たとえば、氏名や勤務先を明らかにしたうえで、不倫をしている、会社のお金を横領しているなどとSNSに投稿された場合です。
個人情報によって誰について書かれているのか特定でき、その人の評判を落とす内容が不特定または多数の人に公開されていれば、名誉毀損罪が問題になります。
また、投稿された内容が事実であっても、名誉毀損罪が成立する可能性はあります。
公共の利害に関する事実であることや公益目的、真実性などの要件を満たした場合には処罰されませんが、事実であるという理由だけで犯罪にならないわけではありません。
関連記事:名誉毀損で刑事告訴する条件や流れ、不起訴になるケースを解説
侮辱罪
個人情報と一緒に侮辱する内容をネット上に投稿された場合は、侮辱罪が成立する可能性があります。
侮辱罪は、名誉毀損罪とは異なり、具体的な事実を示していなくても成立する犯罪です。
氏名や顔写真を掲載して、人格を否定するような言葉を書き込まれた場合などが考えられます。
ただし、不快な言葉を書かれただけですべて侮辱罪になるわけではありません。
不特定または多数の人が認識できる状態で侮辱したことなどが必要です。
個人情報を公開されたうえに悪口や侮辱的な内容まで書き込まれている場合は、投稿を保存して警察への相談を検討するとよいでしょう。
脅迫罪
生命や身体などに危害を加える内容とともに個人情報を公開された場合は、脅迫罪が成立する可能性があります。
脅迫罪は、本人や一定の親族の生命・身体・自由・名誉・財産に危害を加えると告知し、人を畏怖させる程度の内容である場合に成立する犯罪です。
同じ脅迫内容であっても、被害者の氏名や自宅住所、勤務先などが一緒に書かれていれば、投稿者が被害者を特定し、生活圏まで把握していることがわかります。
そのため、個人情報が書かれていない場合と比べて、脅迫の具体性や現実性が高いと判断される材料になり、脅迫罪が成立する可能性も高まると考えられます。
ただし、個人情報が書かれていなければ脅迫罪が成立しないわけではありません。
投稿内容や当事者の関係、投稿に至った経緯などを踏まえて判断されます。
関連記事:殺害予告は何罪?いたずらやSNS投稿も罪になる?逮捕の可能性を解説
ストーカー規制法違反
ストーカー規制法では、ストーカー行為などをするおそれがある人物だと知りながら、その人物に被害者の個人情報を提供する行為を禁止しています。
対象となる情報には、氏名や住所だけでなく、勤務先・通学先・電話番号・メールアドレス・SNSアカウントなども含まれます。
たとえば、元交際相手が被害者をつけ回していると知っている第三者が、その元交際相手に被害者の新しい住所や勤務先を教えた場合などです。
そのため、単に個人情報をネット上へ公開されただけで、直ちにストーカー規制法違反になるわけではありません。
誰に情報を提供したのか、その相手がストーカー行為などをするおそれがあると認識していたのかなどが重要になります。
ネットに公開されると問題になる個人情報
個人情報といっても、氏名や住所だけを指すわけではありません。
特定の個人を識別できる情報には、氏名のほか、ほかの情報と組み合わせることで本人を特定できる情報なども含まれます。
ネット上に公開されると特に問題になりやすい個人情報について紹介します。
- 本名・住所・電話番号
- 勤務先や学校に関する情報
- 顔写真や動画
- 家族や交際関係など私生活に関する情報
- 病歴や収入など他人に知られたくない情報
本名・住所・電話番号
本名や住所、電話番号は、ネット上に公開されると特に注意したい情報です。
本名は、それだけでも個人情報に該当すると考えられています。
住所や電話番号については、それだけで必ず個人情報になるわけではありませんが、氏名などほかの情報と組み合わせて本人を特定できれば個人情報に該当します。
特に問題になりやすいのが、複数の情報をまとめて公開された場合です。
本名と自宅住所、本名と電話番号などがセットで掲載されると、ネット上の情報が現実の生活と結びつきます。
その結果、知らない人から電話がかかってきたり、自宅に郵便物を送られたりするなど、ネット上だけでは収まらない被害につながるおそれがあります。
また、別のSNSや掲示板に転載されれば、さらに多くの人に個人情報を知られる可能性もあるでしょう。
勤務先や学校に関する情報
勤務先や学校に関する情報も、ネット上に公開されることで本人の特定につながる可能性があります。
会社名や学校名だけでは本人を特定できなくても、本名や顔写真、居住地域などほかの情報と組み合わせることで、どこで働いているのか、どの学校に通っているのかがわかる場合があります。
個人情報保護委員会も、職種や肩書などの属性に関する情報は個人に関する情報に含まれるとしています。
勤務先が特定されれば会社へ嫌がらせの電話をかけられたり、学校が知られれば周囲の人へ情報を広められたりするおそれもあるでしょう。
特に、本名・顔写真・勤務先・学校名など複数の情報をまとめて公開されている場合は、ネット上の情報から現実の本人へたどり着かれやすくなるため注意が必要です。
顔写真や動画
顔写真や動画も、ネット上に公開されると問題になりやすい情報の一つです。
顔がはっきり映っていれば、氏名が書かれていなくても本人を特定することが可能です。
また、顔写真や動画には肖像権の問題もあります。
人には自分の容貌などをみだりに利用されない人格的利益があり、本人の承諾なく写真などを公開した行為が、状況によっては肖像権侵害として違法になる可能性があります。
特に、本名や勤務先などと一緒に顔写真を掲載されると、ネット上の情報と現実の本人が結びつきやすくなるでしょう。
写真から自宅周辺や勤務先などが推測できる場合もあるため、画像や動画に写り込んでいる情報にも注意が必要です。
関連記事:勝手に写真を晒された!3つの対処法や相手を訴える方法を詳しく解説
家族や交際関係など私生活に関する情報
家族構成や交際相手、離婚歴など、私生活に関する情報もネット上への公開によって問題になりやすい情報です。
こうした情報は、本人が普段から公にしていなければ、不特定多数の人には知られたくない私生活上の事実としてプライバシーの保護対象になる可能性があります。
実際に裁判例でも、家族関係や異性との関係などについてプライバシー侵害が認められた例があります。
また、家族の氏名や勤務先などまで公開されれば、本人だけでなく家族にも影響が及ぶこともあるでしょう。
交際相手に関する情報から別のSNSアカウントや勤務先などが特定されることも少なくありません。
特に、本人がこれまで公開していなかった家族関係や交際関係を勝手に明らかにされた場合は、プライバシー権の侵害が問題になる可能性があります。
病歴や収入など他人に知られたくない情報
病歴や収入など、本人が積極的に公表していない情報も、ネット上に公開されることで大きな問題につながる可能性があります。
特に病歴は、個人情報保護法で要配慮個人情報に位置づけられている情報です。
要配慮個人情報とは、不当な差別や偏見などの不利益が生じないよう、取り扱いに特に配慮が必要とされる個人情報を指します。
収入や資産状況についても、通常は他人に知られたくない私生活上の情報と考えられるでしょう。
こうした情報を本人の意思に反して公開されれば、プライバシー権の侵害が問題になる可能性があります。
また、病歴や収入などは、一度ネット上に公開されると仕事や人間関係などに影響が及ぶおそれもあります。
情報の内容によっては、氏名や住所以上に本人の私生活へ大きな影響を与える可能性があるため注意が必要です。
個人情報をネットに公開された場合の無料相談窓口
個人情報をネットに公開されたものの、どこに相談すればよいかわからない場合は、公的な無料相談窓口を利用してみましょう。
ネット上のプライバシー侵害について削除方法などのアドバイスを受けられる窓口のほか、人権侵害や個人情報保護法に関する相談を受け付けている機関もあります。
相談内容によって対応できる範囲が異なるため、自分の目的に合った窓口を選ぶことが大切です。
個人情報をネットに公開された場合に利用できる主な無料相談窓口を紹介します。
- 違法・有害情報相談センター
- 法務局の人権相談
- 個人情報保護法相談ダイヤル
違法・有害情報相談センター
違法・有害情報相談センターは、ネット上の誹謗中傷やプライバシー侵害などについて無料で相談できる窓口です。
相談員から、削除依頼の方法や発信者情報開示請求など、トラブルの内容に応じた対応方法についてアドバイスを受けられます。
個人情報を公開されたものの、自分でどのように削除を求めればよいかわからない場合などに利用するとよいでしょう。
相談はWeb上の相談フォームから受け付けています。
ただし、違法・有害情報相談センターが本人に代わってサイトやSNSへ削除を依頼したり、投稿者を特定したりするわけではありません。
あくまで、自分で対応するための方法についてアドバイスを受けられる窓口です。
法務局の人権相談
個人情報をネットに公開されてプライバシーを侵害された場合は、法務局の人権相談を無料で利用できます。
インターネット上のプライバシー侵害や名誉毀損なども相談の対象です。
法務局では、個人情報が掲載された投稿をどのように削除すればよいのか、サイトやSNSの運営者へどのように削除を依頼すればよいのかなど、具体的な対応方法について助言を受けられます。
削除依頼の送付先や申請時に何を書けばよいかわからないといった相談も可能です。
また、自分で削除を求めるのが難しい場合や、削除を依頼しても運営者が応じない場合には、法務局が投稿内容を調査して違法性を判断します。
名誉毀損やプライバシー侵害などの人権侵害が認められれば、法務局からサイトやプロバイダなどへ削除を要請してもらうことも可能です。
ただし、法務局による削除要請には強制力がありません。
運営者が削除に応じない場合には、裁判所へ削除の仮処分を申し立てるなど、別の方法を検討する必要があります。
個人情報保護法相談ダイヤル
個人情報保護法相談ダイヤルは、個人情報保護委員会が設置している無料の電話相談窓口です。
事業者や行政機関などによる個人情報の取り扱いに関する苦情や、個人情報保護法についての質問を受け付けています。
個人情報保護法に違反するおそれが明らかな問題については、情報提供として受け付けたうえで、個人情報保護委員会が事業者に質問したり、是正を促したりする場合があります。
ただし、個人がSNSなどに他人の住所を投稿したといった個人間のトラブルについて、違法性を判断したり投稿を削除したりするための窓口ではありません。
個人情報保護法相談ダイヤルは、主に事業者や行政機関などによる個人情報の取り扱いについて相談したい場合に利用する窓口と考えておきましょう。
個人情報をネットに公開された場合に弁護士へ相談したほうがいい状況
個人情報をネットに公開されたトラブルは、自分で解決できる場合もあります。
しかし、削除に応じてもらえない場合や投稿者の特定が必要な場合などは、法的な手続きが必要になることもあるでしょう。
個人情報をネットに公開された場合に弁護士へ相談したほうがいい状況を紹介します。
- サイトやSNSに削除を依頼しても対応してもらえない
- 公開された個人情報が拡散・転載されている
- 匿名の投稿者を特定したい
- 投稿者に損害賠償を請求したい
- 自分でどのように対応すればいいのかわからない
サイトやSNSに削除を依頼しても対応してもらえない
サイトやSNSに削除を依頼しても、必ず個人情報を削除してもらえるとは限りません。
運営者への削除依頼は任意での対応を求める方法なので、削除の必要性を運営者側に具体的に説明する必要があります。
しかし、自分で削除を依頼する場合、どの権利が侵害されているのか、投稿のどの部分に問題があるのかを法的な観点から説明するのは簡単ではありません。
弁護士に依頼すれば、投稿内容を確認したうえで、プライバシー権や肖像権、名誉権など、どの権利がどのように侵害されているのかを具体的に示して削除を求められます。
削除を求める法的な根拠を明確にできるため、自分で依頼するよりも運営者側に削除の必要性を伝えやすくなるでしょう。
それでも削除されない場合は、裁判所に削除の仮処分を申し立てるなど、法的な手続きへ進むことも可能です。
公開された個人情報が拡散・転載されている
公開された個人情報が複数のSNSや掲示板などに拡散・転載されている場合は、できるだけ早く弁護士へ相談したほうがよいでしょう。
すでに転載されている状況では、最初に個人情報が掲載された投稿を削除するだけでは解決できません。
転載された投稿もそれぞれ削除する必要があり、対応が遅れるほどさらに別の場所へ情報が広がるおそれがあります。
また、サイトやSNSによって削除申請の窓口や手続きなどは異なります。
実際に、削除依頼ではサイト管理者やサービス提供者など適切な申請先を確認し、それぞれに応じた方法で手続きを進めることが必要です。
インターネット上のトラブルに詳しい弁護士であれば、どの投稿から削除を進めるべきかを判断し、各サイトやSNSに応じた手続きを進めてもらえます。
自分ですべての転載先を確認しながら個別に対応するよりも、経験のある弁護士へ任せたほうがスムーズに進めやすいでしょう。
匿名の投稿者を特定したい
発信者情報開示請求は、弁護士へ依頼せずに自分で手続きを進めることも可能です。
しかし、裁判所に申立書を提出すれば、そのまま投稿者の情報が開示されるわけではありません。
投稿によってどのような権利が侵害されたのか、なぜ開示が必要なのかなどを、証拠を示しながら法的に主張する必要があります。
特に難しいのが、投稿内容のどの部分がプライバシー権などを侵害しているのかを具体的に示し、開示の要件を満たしていると裁判所に認めてもらうことです。
インターネット上のトラブルに詳しい弁護士であれば、過去の裁判例や法律に基づいて投稿内容を分析し、開示が認められるために必要な主張や証拠を組み立ててもらえます。
自分で手続きを進めることに不安がある場合や、投稿者を特定できる可能性を少しでも高めたい場合は、弁護士へ依頼したほうがよいでしょう。
投稿者に損害賠償を請求したい
個人情報を公開した投稿者に損害賠償を請求したい場合も、弁護士へ相談したほうがよいでしょう。
損害賠償を請求するには、個人情報を公開されたという事実だけでなく、どのような権利を侵害されたのか、その行為によってどの程度の損害が生じたのかなどを明確にする必要があります。
また、請求する金額を決めたうえで投稿者と交渉し、話し合いで解決できなければ訴訟へ進むこともあります。
慰謝料額などを自分で判断し、相手と直接交渉するのは簡単ではありません。
弁護士に依頼すれば、投稿内容や被害の程度、過去の裁判例などを踏まえて請求内容を検討してもらえます。
投稿者との交渉や訴訟も任せられるため、損害賠償を請求する際の負担を大きく減らせるでしょう。
自分でどのように対応すればいいのかわからない
個人情報をネットに公開された場合の対処法は、インターネットで調べればある程度確認できます。
しかし、対処法を知ることと、実際に自分で手続きを最後まで進めることは別です。
サイトやSNSへの削除依頼であれば比較的取り組みやすいものの、対応してもらえなければ別の方法を検討しなければなりません。
発信者情報開示請求や損害賠償請求まで進むと、法律の知識や裁判手続きへの対応も必要になってきます。
自分で対応している途中で、次に何をすればよいのかわからなくなった場合は、弁護士へ相談するとよいでしょう。
弁護士に依頼すれば、状況に応じた対応方法の判断から、削除請求、発信者情報開示請求、投稿者との交渉や訴訟まで任せられます。
自分だけで対応を続けるのが難しいと感じた段階で、専門家に引き継ぐのも一つの方法です。
個人情報をネットに公開されたときによくある質問
個人情報をネットに公開されたときによくある質問を紹介します。
- ネットに個人情報を晒されたら警察に相談できる?
- 個人情報をネットに晒した相手を訴えることはできる?
- 個人情報を晒すと言われたらどうすればいい?
- X(旧Twitter)に個人情報を晒された場合はどうすればいい?
ネットに個人情報を晒されたら警察に相談できる?
ネットに個人情報を晒された場合は、警察に相談できます。
ただし、個人情報を公開されただけでは犯罪が成立しないこともあり、必ず捜査してもらえるわけではありません。
個人情報とともに殺害予告などの脅迫を受けている場合や、ストーカー行為などに発展している場合は、警察への相談を検討しましょう。
個人情報をネットに晒した相手を訴えることはできる?
個人情報をネットに晒した相手を訴えることは可能です。
住所や電話番号、病歴など、他人に知られたくない情報を無断で公開され、プライバシー権を侵害された場合は、相手に慰謝料などの損害賠償を請求できる可能性があります。
相手が匿名の場合は、訴訟を起こす前に発信者情報開示請求などによって投稿者を特定する必要があります。
個人情報を晒すと言われたらどうすればいい?
個人情報を晒すと言われただけで、実際には公開されていない場合、基本的にはプライバシー権の侵害にはなりません。
まずは相手から送られてきたメッセージや投稿などを、スクリーンショットで保存しておきましょう。
相手のアカウント名や投稿日時なども確認できる状態で残しておくことが大切です。
その後、本当に個人情報を公開された場合は、保存しておいた証拠も活用しながら、サイトやSNSへの削除依頼などの対応を進めます。
X(旧Twitter)に個人情報を晒された場合はどうすればいい?
X(旧Twitter)に個人情報を晒された場合は、まず投稿のスクリーンショットを撮り、証拠を保存しましょう。
その後、Xの報告機能を利用して投稿の削除を求めます。
個人情報に関するポリシーに違反していると判断されれば、投稿の削除などの措置が取られる可能性があります。
Xに報告しても削除されない場合は、弁護士への相談も検討しましょう。
法的な削除請求や、匿名の投稿者に対する発信者情報開示請求などを進められる場合があります。
まとめ
個人情報をネットに公開された場合は、まず投稿のスクリーンショットなどを保存し、証拠を残したうえで削除を求めましょう。
放置すると別のSNSや掲示板などへ転載され、さらに情報が広がるおそれがあります。
また、個人情報の公開によってプライバシー権などを侵害された場合は、投稿者を特定して損害賠償を請求できる可能性があります。
脅迫やストーカー行為などに発展しているときは、警察への相談も必要です。
自分で削除を求めても対応してもらえない場合や、匿名の投稿者を特定して責任を追及したい場合は、インターネット上のトラブルに詳しい弁護士へ相談しましょう。