
SNSのDMで誹謗中傷を受けた場合、相手に法的責任を問えるのか気になっている方も多いでしょう。
DMは送信者と受信者だけが閲覧できる非公開のやり取りです。
そのため、不特定多数に公開されるSNSの投稿とは異なり、名誉毀損罪や侮辱罪は原則として成立しません。
一方で、DMの内容によっては、脅迫罪や強要罪、ストーカー規制法違反などが成立する可能性があります。
本記事では、SNSのDMで成立する可能性がある犯罪や、誹謗中傷されたときの対処法をわかりやすく解説します。
弁護士へ相談するメリットやよくある質問も紹介しますので、参考にしてください。
・誹謗中傷とは、相手の名誉や人格を傷つける発言や投稿をすること(根拠のない悪口や人格を否定する発言、虚偽の情報を広める行為)
・SNSのDMで成立する可能性がある犯罪は、脅迫罪、強要罪、偽計業務妨害罪・威力業務妨害罪、信用毀損罪、ストーカー規制法違反
・SNSのDMで誹謗中傷されたときの対処法は、DMの内容を証拠として保存する、相手をブロック・ミュートする、SNS運営へ通報する、脅迫や業務妨害は警察へ相談する、弁護士へ相談する
目次
SNSのDMでの誹謗中傷とは?
SNSのDMでの誹謗中傷とは、特定の相手に対して、人格を否定する発言や悪口、脅迫的なメッセージなどを送る行為です。
DMは送信者と受信者だけが閲覧できるため、公開投稿とは異なる特徴があります。
そのため、同じ誹謗中傷でも成立する犯罪や取れる法的措置が変わるケースも少なくありません。
まずは、誹謗中傷の意味や、DMで名誉毀損罪や侮辱罪が原則成立しない理由について解説します。
- 誹謗中傷とは?
- DMでは名誉毀損罪や侮辱罪は原則成立しない
誹謗中傷とは?
誹謗中傷とは、相手の名誉や人格を傷つける発言や投稿をすることです。
法律上の用語ではありませんが、一般的には根拠のない悪口や人格を否定する発言、虚偽の情報を広める行為などを指します。
誹謗中傷と一口にいっても、内容によって成立する犯罪や法的責任は異なります。
例えば、社会的評価を低下させる内容であれば名誉毀損罪、相手を侮辱する内容であれば侮辱罪、危害を加えることを伝えれば脅迫罪が成立するでしょう。
SNSのDMでも相手を傷つけるメッセージを送れば問題になることはありますが、公開投稿とは成立する犯罪が異なるため、それぞれの違いを理解することが大切です。
関連記事:誹謗中傷はどこまでセーフ?違法になるラインと事例・対処法を解説
DMでは名誉毀損罪や侮辱罪は原則成立しない
DMで誹謗中傷を受けても、名誉毀損罪や侮辱罪は原則として成立しません。
名誉毀損罪や侮辱罪が成立するためには、「公然性」が必要です。
公然性とは、不特定または多数の人が認識できる状態をいいます。
一方で、DMは送信者と受信者だけが閲覧できる非公開のやり取りです。
不特定多数の人が内容を閲覧できる状態ではないため、公然性の要件を満たさず、名誉毀損罪や侮辱罪は原則成立しません。
SNSのDMで成立する可能性がある犯罪
SNSのDMでは名誉毀損罪や侮辱罪は原則成立しません。しかし、非公開のやり取りだからといって、どのような内容を送っても問題ないわけではありません。
DMの内容によっては、脅迫罪や強要罪、業務妨害罪、ストーカー規制法違反などが成立する可能性があります。
SNSのDMで成立する可能性がある主な犯罪を紹介します。
- 脅迫罪
- 強要罪
- 偽計業務妨害罪・威力業務妨害罪
- 信用毀損罪
- ストーカー規制法違反
- DMでも名誉毀損罪や侮辱罪が成立する例外ケース
脅迫罪
DMで相手や家族の生命、身体、自由、名誉、財産に危害を加えることを伝えた場合は、脅迫罪が成立する可能性があります。
例えば、以下のようなDMを送った場合です。
- 殺してやる
- 家に火を付ける
- 家族を傷つける
- 個人情報をばらまく
- 会社に乗り込んで仕事をできなくしてやる
相手が実際に恐怖を感じたかどうかにかかわらず、一般的に人を畏怖させる内容であれば脅迫罪が成立する可能性があります。
DMは一対一のやり取りですが、公然性は必要ないため、脅迫罪の要件を満たせば犯罪となります。
関連記事:殺害予告は何罪?いたずらやSNS投稿も罪になる?逮捕の可能性を解説
強要罪
DMで脅迫や暴行を手段として、相手に義務のないことをさせたり、権利の行使を妨害したりした場合は、強要罪が成立する可能性があります。
例えば、以下のようなDMを送って相手に行動を強制したケースです。
- 土下座しろ
- 今すぐ会社を辞めろ
- ○万円払え
- 投稿を削除しろ
- 謝罪動画をSNSへ投稿しろ
単に要求しただけでは強要罪になるとは限りません。
しかし、要求に応じなければ危害を加えることを示して相手へ義務のない行為を強いた場合は、強要罪が成立する可能性があります。
偽計業務妨害罪・威力業務妨害罪
DMを利用して相手の業務を妨害した場合は、偽計業務妨害罪や威力業務妨害罪が成立する可能性があります。
偽計業務妨害罪とは、嘘の情報を伝えたり、人を欺いたりして業務を妨害する犯罪です。
一方、威力業務妨害罪とは、脅迫や嫌がらせなどによって相手の業務を妨害する犯罪をいいます。
例えば、企業へDMで虚偽のクレームを繰り返し送って業務を混乱させたり、営業を妨害する目的で大量のDMを送り続けたりした場合は、これらの犯罪が成立する可能性があります。
単なる苦情や意見をDMで送っただけでは成立しません。
信用毀損罪
DMで虚偽の情報を伝え、相手の信用を低下させた場合は、信用毀損罪が成立する可能性があります。
信用毀損罪とは、嘘の情報を流したり、偽計を用いたりして、人や会社の経済的な信用を傷つける犯罪です。
ここでいう信用とは、人柄や評判ではなく、支払能力や商品・サービスに対する社会的な信用を指します。
例えば、取引先へ「この会社は倒産寸前です」「この商品には欠陥があります」など、虚偽の内容をDMで送り、会社の信用を低下させた場合は、信用毀損罪が成立する可能性があります。
一方で、人格を否定する悪口や誹謗中傷は、信用毀損罪ではなく名誉毀損罪などが問題となるケースが一般的です。
ストーカー規制法違反
SNSのDMを利用して執拗にメッセージを送り続けた場合は、ストーカー規制法違反に当たる可能性があります。
ストーカー規制法では、恋愛感情や好意、またはそれが満たされなかったことによる怨恨の感情を満たす目的で、相手へ繰り返しメッセージを送る行為などを規制しています。
例えば、拒否されているにもかかわらず何度もDMを送ったり、復縁を迫るメッセージを繰り返したり、監視していることをうかがわせる内容を送り続けたりした場合です。
単にDMを何度か送っただけで成立するわけではありませんが、送信の目的や回数、内容によってはストーカー規制法違反に問われることがあります。
DMでも名誉毀損罪や侮辱罪が成立する例外ケース
DMは送信者と受信者だけが閲覧できるため、名誉毀損罪や侮辱罪は原則として成立しません。
しかし、例外的に公然性が認められる場合は、これらの犯罪が成立する可能性があります。
例えば、多数の参加者がいるグループDMで誹謗中傷した場合は、不特定または多数の人が内容を認識できる状態と判断され、公然性が認められる可能性があります。
また、DMの内容が第三者へ拡散されることを認識しながら送信した場合や、相手が第三者へ内容を伝えることを前提として送信した場合などです。
SNSのDMで誹謗中傷されたときの対処法
SNSのDMで誹謗中傷された場合は、感情的に反応するのではなく、状況に応じて適切に対処することが大切です。
特に、脅迫や業務妨害など犯罪が疑われるケースでは、証拠を残したうえで早めに警察や弁護士へ相談したほうがよい場合もあります。
SNSのDMで誹謗中傷されたときの主な対処法を紹介します。
- DMの内容を証拠として保存する
- 相手をブロック・ミュートする
- SNS運営へ通報する
- 脅迫や業務妨害は警察へ相談する
- 弁護士へ相談する
DMの内容を証拠として保存する
SNSのDMで誹謗中傷された場合は、まずDMの内容を証拠として保存しましょう。
DMは相手が送信を取り消したり、アカウントを削除したりすると、あとから内容を確認できなくなる可能性があります。
そのため、問題のあるメッセージを受け取った時点で証拠を残しておくことが重要です。
スクリーンショットだけでなく、送信日時や相手のアカウント名、プロフィール画面、DMのURLなども保存しておくと、被害の状況を証明しやすくなります。
警察への相談や弁護士への依頼を検討している場合も、証拠が重要になります。
DMを削除したり、やり取りを編集したりせず、できるだけ当時の状態で保存しておきましょう。
相手をブロック・ミュートする
誹謗中傷が続いている場合は、相手をブロックまたはミュートしましょう。
DMを受け取り続けると精神的な負担が大きくなるだけでなく、相手がさらに嫌がらせをエスカレートさせる可能性もあります。
被害をこれ以上広げないためにも、相手との接触を断つことが大切です。
ブロックすれば、相手からDMが届かなくなるほか、アカウントによってはプロフィールの閲覧やフォローなども制限できます。
一方で、ミュートは相手に知られることなく通知やメッセージを非表示にできるため、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。
ただし、証拠を保存する前にブロックすると、あとからDMの内容を確認できなくなる場合があります。
警察への相談や法的措置を検討している場合は、スクリーンショットなどで必要な証拠を保存してからブロック・ミュートすることをおすすめします。
SNS運営へ通報する
誹謗中傷を含むDMを受け取った場合は、SNS運営へ通報することも有効です。
多くのSNSでは、利用規約やコミュニティガイドラインに違反するアカウントやDMを通報できる仕組みが用意されています。
通報内容が規約違反に当たると判断されれば、DMの削除やアカウントの利用制限、凍結などの措置が取られます。
SNS運営が対応すれば、相手からのDMが止まることもあるため、被害の拡大防止につながるでしょう。
ただし、通報したからといって必ず対応してもらえるとは限りません。
また、アカウントを作り直して再びDMを送ってくるケースもあります。通報しても嫌がらせが続く場合は、警察への相談や法的措置など、別の方法で対応することも検討しましょう。
脅迫や業務妨害は警察へ相談する
DMの内容が脅迫や業務妨害などの犯罪に当たる可能性がある場合は、警察へ相談しましょう。
警察では、DMの内容や被害状況を確認したうえで、犯罪が成立する可能性があるかを判断してもらえます。
事件性があると判断された場合は、被害届の受理や捜査など、必要な対応を進めてもらうことが可能です。
一方で、DMによる誹謗中傷が直ちに犯罪になるとは限りません。
そのため、犯罪に当たるかわからない場合でも、一人で判断せずに相談することが大切です。
緊急性がない場合は、警察相談専用電話「#9110」を利用できます。
一方で、生命や身体に危険が及ぶおそれがあるなど緊急性が高い場合は、110番へ通報しましょう。
弁護士へ相談する
SNSのDMで誹謗中傷された場合は、弁護士へ相談することも一つの方法です。
弁護士へ相談すると、DMの内容が犯罪や権利侵害に当たるかを判断してもらえます。
そのうえで、慰謝料請求ができるかや、警察へ相談すべき事案かなど、状況に応じた適切な対応方法についてアドバイスを受けることが可能です。
また、相手との示談交渉や損害賠償請求、刑事手続きのサポートなども依頼できます。
被害状況に応じて必要な対応を一貫して任せられるため、自分で対応する負担を軽減できます。
一人で対応することが難しい場合や、法的措置を検討している場合は、早めに弁護士へ相談するとよいでしょう。
関連記事:SNSの嫌がらせについて弁護士ができること|費用相場と嫌がらせに強い弁護士の選び方
SNSのDMは発信者情報開示請求の対象外
SNSのDMは、原則として発信者情報開示請求の対象になりません。
発信者情報開示請求は、不特定または多数の人が閲覧できる投稿によって権利侵害を受けた場合に、投稿者を特定するための手続きです。
一方で、DMは送信者と受信者だけが閲覧できる非公開のメッセージであるため、原則として発信者情報開示請求を利用できません。
そのため、DMで誹謗中傷を受けた場合は、公開投稿とは異なる対応が必要になります。
内容によっては警察への相談や損害賠償請求などを検討することになりますが、対応方法は事案によって異なります。
DMによる被害への対応に迷う場合は、弁護士へ相談し、自分のケースに適した解決方法を確認するとよいでしょう。
関連記事:発信者情報開示請求の進め方|手続きの流れや費用、自分でできるのか解説
SNSのDMで誹謗中傷された|泣き寝入りを防ぐなら弁護士に相談
SNSのDMで誹謗中傷されても、名誉毀損罪や侮辱罪が原則成立しないことから、泣き寝入りするしかないと思う方もいるかもしれません。
しかし、DMの内容によっては脅迫罪や強要罪などの犯罪が成立する可能性があるほか、民事上の責任を追及できるケースもあります。
一人で対応すると、どのような法的措置を取れるのか判断できなかったり、相手との交渉が難航したりすることも少なくありません。
SNSのDMで誹謗中傷されたときに弁護士へ相談するメリットを紹介します。
- 法的責任を問えるか判断してもらえる
- 慰謝料請求や示談交渉を任せられる
- 警察への相談や刑事手続きをサポートしてもらえる
- 精神的な負担を軽減できる
法的責任を問えるか判断してもらえる
SNSのDMは送信者と受信者だけが閲覧できるため、公然性が認められず、通常のSNS投稿よりも法的責任を問えるケースが限られます。
そのため、相手へ法的責任を追及できるかどうかを判断することは、一般の方には簡単ではありません。
弁護士へ相談すれば、DMの内容が脅迫罪や強要罪などの犯罪に当たる可能性があるかや、損害賠償請求ができるかなどを法的な観点から判断してもらえます。
また、警察へ相談すべき事案なのか、民事上の手続きを進めるべきなのかについてもアドバイスを受けることが可能です。
自分だけで判断すると、本来取れる法的措置を見落としたり、反対に法的責任を問うことが難しいケースで時間や労力をかけたりすることがあります。
適切な対応方法を把握し、早い段階で行動に移すためにも、まずは弁護士へ相談するとよいでしょう。
慰謝料請求や示談交渉を任せられる
DMによる誹謗中傷で慰謝料を請求したい場合は、弁護士へ依頼することをおすすめします。
慰謝料を請求するためには、相手の行為によってどのような権利が侵害されたのかや、どの程度の精神的苦痛を受けたのかなどを踏まえ、適切な請求額を検討する必要があります。
しかし、慰謝料の金額は事案ごとに異なるため、自分だけで判断することは簡単ではありません。
また、慰謝料を請求する場合は、相手との示談交渉や訴訟へ発展するケースもあります。
相手が弁護士へ依頼することもあるため、当事者同士で交渉を進めることは難しいでしょう。
弁護士へ依頼すれば、適切な請求額を踏まえた示談交渉や、必要に応じた訴訟まで一貫して任せられます。
納得できる形で解決するためにも、早めに相談することをおすすめします。
警察への相談や刑事手続きをサポートしてもらえる
SNSのDMは公然性が認められないことが多いため、名誉毀損罪や侮辱罪では法的責任を問うことが難しいケースもあります。
そのため、脅迫罪や強要罪、ストーカー規制法違反などの犯罪が成立しないかを検討し、警察への相談を考える方も少なくありません。
犯罪が疑われる場合は警察へ相談することも重要です。
しかし、被害届や告訴をする場合は、どのような犯罪が成立する可能性があるのかを整理したり、必要な資料を準備したりする必要があります。
こうした手続きを自分だけで進めることは簡単ではありません。
弁護士へ依頼すれば、犯罪が成立する可能性があるかを判断してもらえるだけでなく、被害届や告訴の手続きについてもサポートを受けられます。
また、警察へどのように説明すればよいかについても助言を受けられるため、刑事手続きをスムーズに進めやすくなります。
生命や身体に危険が及ぶおそれがあるなど緊急性が高い場合は、迷わず警察へ連絡しましょう。
一方で、緊急性はないものの刑事責任を追及したい場合は、事前に弁護士へ相談してから対応を進めることをおすすめします。
精神的な負担を軽減できる
SNSのDMによる誹謗中傷は、一対一のやり取りだからこそ精神的な負担が大きくなることも少なくありません。
何度もDMが送られてきたり、脅迫的な内容が続いたりすると、不安や恐怖から日常生活に支障をきたすケースもあります。
一人で対応しようとすると、相手とのやり取りを続けなければならなかったり、法的な手続きを調べたりする必要があり、さらに精神的な負担が大きくなるでしょう。
弁護士へ依頼すれば、相手との交渉や法的手続きを任せられるため、自分で直接対応する場面を大幅に減らせます。
問題解決に向けた見通しも立てやすくなるため、不安を抱えながら一人で対応を続けるよりも、精神的な負担を軽減しやすいでしょう。
SNSのDMで誹謗中傷されたときによくある質問
SNSのDMで誹謗中傷されたときによくある質問を紹介します。
- インスタ(SNS)のDMで誹謗中傷されたら訴訟できる?
- インスタ(SNS)のDMで嫌がらせをした相手は特定できる?
- DMは発信者情報開示請求できる?できない?
- インスタのDMで誹謗中傷されたら侮辱罪になる?
インスタ(SNS)のDMで誹謗中傷されたら訴訟できる?
インスタなどのSNSでDMによる誹謗中傷を受けた場合でも、状況によっては訴訟を起こすことが可能です。
例えば、DMによって精神的苦痛を受けたとして損害賠償を請求する場合や、脅迫や強要などの違法行為によって損害が発生した場合は、相手へ法的責任を追及できる可能性があります。
ただし、DMによる誹謗中傷であれば、すべて訴訟を起こせるわけではありません。
相手の行為が権利侵害や違法行為に当たることが前提となります。
また、相手が匿名アカウントの場合は、投稿者を特定できなければ訴訟を進めることが難しいケースもあります。
インスタ(SNS)のDMで嫌がらせをした相手は特定できる?
インスタなどのSNSで嫌がらせをした相手が匿名アカウントだった場合でも、状況によっては特定できる可能性があります。
例えば、相手が本名や連絡先を公開している場合や、DMの内容などから相手を特定できる情報がある場合は、発信者情報開示請求を利用しなくても相手が判明することがあります。
一方で、匿名アカウントで相手を特定する手掛かりがない場合は、DMは原則として発信者情報開示請求の対象外であるため、公開投稿のように開示請求で相手を特定することは困難です。
このように、DMだけを理由に相手を特定できるケースは限られます。
相手が誰かわからず対応に困っている場合は、弁護士へ相談し、利用できる手段がないか確認するとよいでしょう。
関連記事:Instagram(インスタ)の身バレを防ぐ11の方法!原因やばれたときの対応
DMは発信者情報開示請求できる?できない?
DMは、原則として発信者情報開示請求の対象になりません。
発信者情報開示請求は、不特定または多数の人が閲覧できる投稿によって権利が侵害された場合に利用できる制度です。
一方、DMは送信者と受信者だけが閲覧できる非公開のメッセージであるため、開示請求の対象外とされています。
ただし、DMと同じ内容が公開投稿として掲載されている場合や、公開投稿によって権利侵害が発生している場合は、その投稿について発信者情報開示請求を利用できる可能性があります。
DMだけでは開示請求できないケースがほとんどですが、状況によって利用できる手続きが異なるため、判断に迷う場合は弁護士へ相談するとよいでしょう。
関連記事:爆サイで発信者情報開示請求を行う流れ|費用や期間、弁護士の選び方まで紹介
インスタのDMで誹謗中傷されたら侮辱罪になる?
インスタなどのSNSのDMで誹謗中傷された場合でも、侮辱罪が成立する可能性は低いといえます。
侮辱罪が成立するには、不特定または多数の人が認識できる状態で人を侮辱する「公然性」が必要です。
しかし、DMは送信者と受信者だけが閲覧できる非公開のメッセージであるため、原則として公然性は認められません。
一方で、DMの内容をスクリーンショットで公開したり、複数人が閲覧できるグループチャットで送信したりした場合は、公然性が認められる可能性があります。
また、内容によっては侮辱罪ではなく、脅迫罪や強要罪など別の犯罪が成立するケースもあります。
DMで誹謗中傷を受けたからといって、必ず侮辱罪になるわけではありません。
メッセージの内容や送信方法によって成立する犯罪は異なるため、判断に迷う場合は弁護士へ相談するとよいでしょう。
まとめ
SNSのDMによる誹謗中傷は、名誉毀損罪や侮辱罪が成立しにくい一方で、内容によっては脅迫罪や強要罪、ストーカー規制法違反などに該当する可能性があります。
また、DMは原則として発信者情報開示請求の対象外であるため、匿名アカウントの相手を特定することは容易ではありません。
そのため、被害を受けたときは証拠を保存したうえで、SNS運営への通報や警察への相談など、状況に応じた対応を取ることが重要です。
DMでの誹謗中傷は、公開投稿とは法的な扱いが異なるため、自分だけで判断することは難しいケースもあります。
対応方法に迷っている場合や、相手に法的責任を追及したい場合は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。