転職会議に自社や社員についてネガティブな口コミが投稿され、「できるだけ早く削除したい」と考えている企業担当者もいるでしょう。口コミの内容によっては、採用活動や取引先からの信用、企業イメージに影響する可能性もあります。
しかし、会社にとって不都合な内容が書かれているという理由だけで、転職会議の口コミを自由に削除できるわけではありません。口コミの内容が権利侵害にあたるか、転職会議のガイドラインに違反しているかなどを確認したうえで、適切な方法で削除を求める必要があります。
この記事では、転職会議の口コミを削除できる可能性があるケースや削除申請の手順、削除されなかった場合の対処法を解説します。問題のある口コミへの対応を検討している方は参考にしてください。
目次
転職会議の口コミは削除できる?
転職会議では口コミの削除が一切できないわけではありません。ただし、原則として投稿者や企業の希望だけで自由に削除できる仕組みにはなっていません。
口コミの内容が他人の権利を侵害している場合や、転職会議の口コミ投稿ガイドラインに反している場合などには、削除される可能性があります。
原則として投稿者の希望だけで口コミを自由に削除することはできない
転職会議では、投稿された口コミについて、原則として投稿者からの希望だけでは削除を受け付けない方針が示されています。一度口コミを投稿したあとに「やはり消したい」と考えても、本人の意思だけで自由に削除できるわけではありません。
企業側についても同様で、自社にとってマイナスとなる口コミを見つけたからといって、申し出ればすぐに消してもらえるわけではありません。転職会議は求職者に企業の実態を伝えるための口コミサービスであり、企業に対する厳しい意見についても一定の範囲で掲載する方針を取っています。
そのため、削除を求める場合には、単に「内容が気に入らない」「採用活動に悪影響がある」と主張するだけでは不十分です。どの記載によって、どのような権利が侵害されているのかを具体的に示すことが重要になります。
口コミへの対応を検討するときは、まず投稿内容を冷静に確認し、事実に関する記述なのか、投稿者の感想や評価なのかを整理するとよいでしょう。
権利侵害が認められる口コミは削除される可能性がある
口コミによって企業や個人の権利が侵害されている場合には、転職会議へ削除を求められる可能性があります。代表的なものとして、名誉権やプライバシー権などの侵害が考えられます。
たとえば、事実ではない犯罪行為を企業が行っているかのように断定する投稿や、一般には公開されていない社員の氏名・住所などを記載した投稿などです。内容や状況によっては、権利侵害と判断される可能性があります。
ただし、ネガティブな表現であれば必ず権利侵害になるわけではありません。たとえば「社風が自分には合わなかった」「上司とのコミュニケーションが取りにくかった」など、投稿者自身の経験や感想として書かれている場合には、企業側が不快に感じても直ちに違法になるとは限りません。
削除を求めるには、問題となっている記述を特定し、権利侵害にあたる理由を具体的に説明する必要があります。
企業にとって都合が悪いという理由だけでは削除されにくい
転職会議には、給与、人事評価、残業、職場環境、退職理由など、企業にとって耳の痛い内容が投稿されることがあります。しかし、内容が企業にとって都合が悪いことと、違法な口コミであることは別問題です。
たとえば、「残業が多かった」「人事評価に納得できなかった」といった投稿が、投稿者自身の経験をもとにしたものなのであれば、企業側と認識が違っていたとしても、それだけで削除の対象になるとは限りません。
企業側が口コミの削除を求めるときには、不都合であることではなく、虚偽の事実が示されていることや権利侵害が生じていることなどを説明する必要があります。
感情的に反論するのではなく、就業規則、給与明細、勤怠記録、社内規程などの客観的な資料と照らし合わせて、投稿のどの部分に問題があるのかを確認しましょう。
投稿者が退会しても口コミは削除されず掲載が続く
転職会議では、口コミを投稿したユーザーがサービスを退会した場合でも、投稿済みの口コミは原則としてそのまま掲載されると案内されています。
そのため、「投稿者がすでに退会しているようだから、そのうち口コミも消えるだろう」と考えるのは適切ではありません。問題のある投稿が残っているのであれば、必要に応じて削除申請などの対応を検討する必要があります。
また、元従業員が投稿した口コミについて、会社から本人に連絡して削除を求めることも慎重に考える必要があります。投稿者を特定できていない段階で、推測をもとに特定の元従業員へ連絡することは、新たなトラブルにつながるおそれがあります。
投稿者を探すことよりも、まず口コミそのものが削除対象となる内容なのかを確認することが大切です。
転職会議の口コミを削除できる可能性があるケース
転職会議の口コミ投稿ガイドラインでは、個人を特定する内容や誹謗中傷、機密情報など、削除対象となる可能性がある投稿が示されています。
ここでは、口コミの削除を検討できる代表的なケースを紹介します。
個人を特定できる情報が書かれている場合
社員など特定の個人を識別できる情報が口コミに書かれている場合、削除対象となる可能性があります。転職会議の口コミ投稿ガイドラインでも、個人の特定につながる投稿を避けるよう求めています。
たとえば、社員の氏名だけでなく、「○○支店の営業部長」「入社○年目の○○担当」など、複数の情報を組み合わせることで特定の人物が分かってしまうケースも考えられます。
さらに、住所や電話番号、家庭事情など、業務とは直接関係のない私生活上の情報まで書かれている場合には、プライバシー侵害が問題となる可能性もあります。
個人に関する記載がある口コミを見つけた場合は、どの情報から誰を特定できるのか、公開されることでどのような不利益が生じるのかを整理しておきましょう。
特定の個人や企業への誹謗中傷が含まれている場合
特定の社員や経営者、企業に対して、社会的評価を低下させるような内容が書かれている場合も削除を検討できます。
単なる批判と、法的な意味で権利を侵害する投稿は区別する必要があります。たとえば「社長の考え方に共感できなかった」という感想と、「社長が会社の金を横領している」と具体的な事実を示す投稿では、法的な評価が大きく異なる場合があります。
特に、犯罪行為、不正行為、ハラスメントなどについて事実であるかのように具体的に記載されている場合は注意が必要です。投稿が虚偽で、それによって企業や個人の社会的評価が低下しているのであれば、名誉権侵害などを理由として削除を求めることが考えられます。
一方で、批判的な内容だからという理由だけでは削除できるとは限りません。問題となる具体的な文章を抜き出し、事実の指摘なのか意見なのかを確認することが重要です。
明らかに事実と異なる内容によって権利を侵害されている場合
口コミに書かれている内容が客観的な事実と異なり、それによって企業の信用や名誉が侵害されている場合には、削除を求められる可能性があります。
たとえば、「残業代が一切支払われない」と書かれている一方で、実際には就業規則に基づき残業代を計算し、該当する従業員へ支払っていたことを給与明細などで証明できるケースが考えられます。
このような場合には、「事実と違います」と説明するだけでなく、給与明細、就業規則、勤怠記録、社内通知などの客観的な資料を示すことが重要です。転職会議も、権利者から提出された客観的な証拠を踏まえて送信防止措置申請を審査する方針を示しています。
なお、一部が不正確だからといって、口コミ全体が削除されるとは限りません。問題となる表現と証拠を対応させて整理しておくと、削除を求める根拠が伝わりやすくなります。
インサイダー情報や企業の機密情報が書かれている場合
一般には公開されていない企業の機密情報や、インサイダー情報となる可能性がある情報が口コミに含まれている場合も、削除対象となる可能性があります。
たとえば、未発表の業績情報、M&Aに関する情報、未公表の新規事業、顧客情報、取引条件、営業上のノウハウなどが具体的に記載されているケースです。
ただし、企業側が「社外秘だと考えている」というだけでは十分ではない場合もあります。すでに公式サイトや報道などで公表されている情報であれば、秘密情報として扱うことが難しいこともあるためです。
削除を求めるときは、その情報が一般に公開されていないことや、社内で秘密として管理されていることなどを説明できる資料を準備するとよいでしょう。
投稿先とは無関係な企業や団体について書かれている場合
転職会議では、口コミを投稿した企業とは関係のない企業や団体に関する情報が書かれている投稿について、削除対象となる場合があるとしています。
たとえば、A社の口コミページであるにもかかわらず、口コミの大部分がB社への批判となっているようなケースです。このような投稿は、その企業について情報を知りたい利用者にとっても適切な口コミとはいえません。
グループ企業や取引先などが登場する口コミでは、投稿先企業との関係があるかどうかが判断しにくい場合もあります。単に他社名が登場しているだけで直ちに削除対象になるわけではないため、投稿全体の文脈を確認しましょう。
投稿先とは明らかに無関係な内容であれば、転職会議の口コミ投稿ガイドラインに照らして対応を求める方法があります。
宣伝や広告など転職会議の口コミ投稿ガイドラインに違反している場合
転職会議では、宣伝や広告、外部サイトへの誘導を目的とする投稿なども削除対象となる場合があります。
また、企業の評価や評判を意図的に操作する目的の投稿や、その他の利用規約上の禁止事項に該当する口コミも問題となる可能性があります。
口コミを削除したい場合は、権利侵害だけでなく、転職会議が定めている口コミ投稿ガイドラインに違反していないかという観点から確認することも大切です。
削除を求める前に、問題となる口コミとガイドラインの内容を照らし合わせ、どの項目に違反していると考えられるのかを具体的に整理しておきましょう。
転職会議の口コミを削除するための申請手順
転職会議の口コミについて権利侵害が疑われる場合は、必要な情報や証拠を整理したうえで送信防止措置を求める方法があります。
削除を求める際は、次のような流れで準備するとよいでしょう。
- 削除したい口コミの内容とURLを確認する
- 侵害されている権利を整理する
- 客観的な証拠を準備する
- 転職会議へ送信防止措置を申請する
- 審査結果を確認する
削除したい口コミの内容とURLを確認する
最初に、削除したい口コミを正確に特定します。口コミが掲載されている企業ページのURLだけでなく、投稿日時や投稿内容なども記録しておきましょう。
また、問題となっている口コミはスクリーンショットなどで保存しておくことが重要です。あとから口コミの内容が修正されたり、表示状況が変わったりする可能性があるためです。
スクリーンショットを保存するときは、問題となる文章だけを切り取るのではなく、サイト名やURL、投稿日時、前後の文章なども確認できる状態にしておくとよいでしょう。
複数の口コミが問題となっている場合は、それぞれについてURLや投稿内容を一覧にすると、後の手続きを進めやすくなります。
どの権利が侵害されているのかを整理する
次に、口コミのどの部分によって、どのような権利が侵害されているのかを整理します。削除申請では、この部分が重要になります。
考えられる権利侵害としては、名誉権やプライバシー権などがあります。ただし、口コミの内容によって問題となる権利は異なります。
| 投稿内容の例 | 問題となる可能性があるもの |
|---|---|
| 虚偽の不正行為を具体的に書かれている | 名誉権など |
| 社員の住所や私生活上の情報を書かれている | プライバシー権など |
| 未公開の社内情報を書かれている | 営業上の秘密など |
「悪口を書かれたので消してほしい」という主張だけでは、削除の必要性が十分に伝わらないことがあります。問題となる文章を特定し、それによってどのような権利侵害が生じているのかを具体化しましょう。
自社だけで判断することが難しい場合には、インターネット上の誹謗中傷や口コミ削除を扱っている弁護士へ相談する方法もあります。
口コミが事実と異なることを示す客観的な証拠を用意する
口コミに書かれている事実が虚偽であることを理由として削除を求める場合は、それを裏付ける客観的な証拠を用意します。
たとえば、残業代についての口コミであれば給与明細や賃金規程、勤務時間についてであれば勤怠記録などが考えられます。福利厚生や人事制度に関する内容であれば、当時の社内規程などが証拠となる場合もあります。
- 就業規則や賃金規程
- 給与明細
- 勤怠記録
- 社内規程
- 雇用契約書
- 社内メールや通知
- 公表済みの会社資料
重要なのは、口コミの内容と証拠が対応していることです。大量の資料を提出するだけではなく、「口コミのこの記載について、この資料から事実と異なることが確認できる」という形で整理すると分かりやすくなります。
削除を求める理由を客観的に説明できるよう準備することが、重要なポイントです。
転職会議へ送信防止措置を申請する
必要な資料を整理したら、転職会議に対して送信防止措置の申請を検討します。送信防止措置とは、インターネット上で権利を侵害している情報について、サイト運営者などに公開を止めるよう求める手続きです。
転職会議では、権利者または代理人弁護士から、権利侵害の可能性がある口コミについて送信防止措置の申請を受け付けています。
申請時には、対象となる口コミだけでなく、侵害されている権利や削除を求める理由、根拠となる資料などを整理して提出することになります。必要となる書類や手続きについては、申請時点で転職会議の案内を確認してください。
送信防止措置を申請したからといって、必ず口コミが削除されるわけではありません。提出した内容や証拠をもとに審査され、権利侵害が認められるかどうかなどが判断されます。
転職会議による審査結果を確認する
送信防止措置を申請したあとは、転職会議による審査が行われます。申請を行った時点で自動的に口コミが削除されるわけではありません。
転職会議は、権利者から提出された客観的な証拠などを確認したうえで、口コミを削除するか掲載を継続するかなどを判断する方針を示しています。
そのため、削除されなかった場合には「申請したのになぜ削除されないのか」と考えるのではなく、主張や証拠が十分だったかを改めて確認する必要があります。
権利侵害が強く疑われるにもかかわらず削除されなかった場合には、弁護士への相談や裁判所を利用した法的手続きへ進むことも選択肢となります。
転職会議に申請しても口コミが削除されない場合の対処法
転職会議へ削除を求めても、必ず口コミが削除されるとは限りません。削除されなかった場合には、追加資料の提出や裁判所を利用した手続きなどを検討することになります。
口コミの内容や求める結果によって適切な方法が異なるため、状況に応じて対応を選びましょう。
追加の証拠を用意して削除を求める
最初の削除申請で十分な証拠を提出できていなかった場合には、新たな証拠を整理したうえで対応を検討する方法があります。
たとえば、「サービス残業を強制された」という投稿について単に否定しただけでは、企業側の主張と投稿者側の主張が対立しているだけと受け取られる可能性があります。
一方で、対象期間の勤怠記録や給与明細、残業申請の記録などを用意できれば、主張を客観的に説明しやすくなることがあります。
ただし、同じ内容の申請を何度も繰り返せば削除されるというものではありません。前回の申請と比べて新しい証拠や法的な根拠があるかを確認したうえで対応することが重要です。
投稿者に対する発信者情報開示請求を検討する
口コミによって権利を侵害されており、投稿者へ損害賠償請求などを行いたい場合には、発信者情報開示請求を検討することがあります。
インターネット上の口コミは匿名で投稿されていることが多いため、企業側からは投稿者の氏名や住所が分からないことがあります。その場合、一定の要件を満たせば、サイト運営者や通信事業者などに対して発信者情報の開示を求める方法があります。
ただし、会社に対して批判的な口コミを書いたという理由だけで投稿者の情報が開示されるわけではありません。権利侵害が明らかであることなど、法律上の要件を満たす必要があります。
また、投稿から時間が経過すると、手続きに必要となる情報の保存状況が問題になることもあります。投稿者の特定まで検討している場合は、早めに弁護士へ相談するとよいでしょう。
裁判所へ投稿削除の仮処分を申し立てる
転職会議への任意の削除申請で口コミが削除されない場合には、裁判所へ投稿削除を求める仮処分を申し立てる方法があります。
仮処分は、通常の訴訟による確定判決を待つことで重大な不利益が生じる可能性がある場合などに、裁判所へ暫定的な措置を求めるための手続きです。インターネット上の投稿削除でも利用されることがあります。
裁判所では、対象となる口コミによって申立人の権利が侵害されているかなどについて、提出された資料や双方の主張をもとに判断されます。
仮処分は法律上の主張や証拠の整理が必要となるため、企業だけで対応することが難しい場合があります。裁判所を利用した削除まで考えているのであれば、インターネット問題を扱う弁護士へ相談することを検討しましょう。
名誉毀損などが成立する場合は損害賠償請求を検討する
口コミによって企業や個人の権利が侵害され、実際に損害が生じている場合には、投稿者に対する損害賠償請求を検討できることがあります。
たとえば、虚偽の事実を投稿したことで企業の信用が低下した場合などには、その内容や影響などに応じて法的責任が問題となる可能性があります。
ただし、損害賠償請求を行うためには、誰が投稿したのかを把握する必要があります。投稿者が匿名の場合には、前述した発信者情報開示請求などによって投稿者の特定を進めることになります。
また、口コミが削除対象になることと、投稿者に損害賠償責任が生じることは必ずしも同じではありません。請求が認められるかどうかは、投稿内容や証拠、発生した損害などによって異なります。
対応方法がわからない場合は弁護士へ相談する
口コミを見つけても、「これは名誉毀損になるのか」「転職会議に申請すれば削除してもらえるのか」と判断できないこともあるでしょう。
特に、事実と意見が混ざっている口コミや、一部だけが事実と異なっている口コミでは、法的な評価が難しくなる場合があります。
弁護士へ相談すれば、口コミの内容を確認したうえで、削除を求められる可能性や必要となる証拠、適切な手続きについて助言を受けられます。
口コミによる企業への影響が大きい場合や、投稿者の特定・損害賠償請求まで検討している場合には、早い段階で専門家へ相談することで手続きの選択肢を整理しやすくなります。
転職会議の口コミ削除を弁護士に相談するメリット
転職会議の口コミ削除は、企業側から削除を希望するだけでは認められない場合があります。権利侵害の有無を確認し、必要な証拠や法律上の主張を整理することが重要です。
インターネット上の誹謗中傷や口コミ問題を扱う弁護士へ相談することで、削除申請から裁判手続きまで状況に応じた対応を検討できます。
口コミが権利侵害にあたるか判断してもらえる
弁護士へ相談する大きなメリットは、問題となっている口コミが法的な権利侵害にあたる可能性があるか確認してもらえることです。
企業担当者から見れば明らかな誹謗中傷に思える投稿でも、法律上は投稿者の意見や感想の範囲と判断される場合があります。反対に、一見すると単なる口コミに見える文章でも、具体的な事実を示して企業の社会的評価を低下させている場合があります。
削除できる可能性が低い投稿について手続きを続けると、時間や費用を無駄にしてしまうこともあります。
最初に権利侵害の可能性を確認することで、削除申請を行うべきか、別の対応を考えるべきか判断しやすくなるでしょう。
削除申請に必要な証拠や主張を整理してもらえる
口コミ削除では、「この投稿は間違っている」という主張だけでなく、それを裏付ける証拠が重要です。しかし、どの資料を準備すべきなのか判断できないことも少なくありません。
弁護士へ相談すれば、問題となる口コミの内容に応じて、どのような証拠が必要になるのか整理してもらえます。
たとえば、給与や残業に関する口コミであれば賃金規程や給与明細、勤務環境に関する内容であれば勤怠資料や社内規程などが証拠となる可能性があります。
さらに、口コミのどの部分が事実と異なるのか、どの権利が侵害されているのかについても整理できるため、削除を求める理由をより具体的に示しやすくなります。
転職会議への送信防止措置申請を依頼できる
企業自身で転職会議へ送信防止措置を求める方法もありますが、代理人として弁護士へ対応を依頼することもできます。
弁護士に依頼すれば、対象となる口コミを確認したうえで、権利侵害に関する主張や証拠を整理し、必要な手続きを進めてもらえます。
特に複数の口コミが投稿されている場合や、どの記載を問題として主張すべきか判断が難しい場合には、専門家に整理してもらうメリットがあります。
ただし、弁護士が申請したからといって必ず削除されるわけではありません。最終的には投稿内容や証拠などに基づいて判断される点は理解しておきましょう。
発信者情報開示請求によって投稿者の特定を進められる
口コミの削除だけではなく、投稿者に対して損害賠償などを求めたい場合には、投稿者を特定するための手続きが必要になることがあります。
匿名のインターネット投稿では、サイト運営者が保有している情報や通信事業者が保有している情報などをもとに、法律上の手続きを進めることがあります。
発信者情報開示の手続きには法律上の要件があり、必要となる資料や手続きもケースによって異なります。投稿された時期などによっては、迅速な対応が重要となる場合もあります。
弁護士へ依頼することで、口コミ削除だけで終わらせるのか、それとも投稿者の特定まで進めるのかを含めて対応方針を検討できます。
仮処分や損害賠償請求などの法的手続きを任せられる
転職会議への削除申請だけでは解決できない場合、裁判所へ投稿削除を求める仮処分を申し立てたり、特定した投稿者に対して損害賠償請求をしたりすることがあります。
これらの手続きでは、申立書などの書類作成だけでなく、権利侵害を説明する法律上の主張や証拠の提出が必要になります。
企業担当者が通常の業務と並行してすべてを対応することは負担になることもあるでしょう。弁護士へ依頼すれば、裁判所への申立てや相手方とのやり取りなどを任せることができます。
口コミによる影響が大きく、任意の削除申請では解決できない場合ほど、法的手続きを含めた対応を検討する必要があります。削除だけを目的とするのか、投稿者の特定や責任追及まで行うのかについても、状況を踏まえて判断しましょう。
転職会議の口コミを削除したい場合は削除できるケースを確認して適切な方法で申請しよう
転職会議では、投稿された口コミを企業や投稿者の希望だけで自由に削除できるわけではありません。企業にとって不都合な口コミや評価の低い口コミであっても、それだけを理由として削除されるとは限りません。
一方で、個人を特定できる情報が書かれている場合、誹謗中傷によって権利を侵害している場合、客観的な事実と異なる内容によって名誉や信用を害している場合などは、削除を求められる可能性があります。転職会議の口コミ投稿ガイドラインに違反していないかという視点でも確認しましょう。
口コミの削除を求める場合は、対象となる投稿のURLや内容を保存し、問題となっている記載と侵害されている権利を整理します。そのうえで、就業規則や給与明細、勤怠記録などの客観的な証拠を準備し、送信防止措置の申請を検討します。
それでも削除されない場合には、追加資料を用意するほか、裁判所への削除仮処分、発信者情報開示請求、投稿者への損害賠償請求などが選択肢になる場合があります。
口コミが法的な権利侵害にあたるかどうかは、文章の一部分だけでは判断できず、投稿全体の内容や前提となる事実によって結論が変わることがあります。自社での判断が難しい場合や、口コミによる影響が大きい場合には、インターネット上の誹謗中傷や口コミ削除を取り扱う弁護士へ相談し、適切な対応方法を検討しましょう。